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糖尿病の初期症状8選|種類・検査・予防法まで徹底解説

糖尿病の初期症状8選|種類・検査・予防法まで徹底解説

「最近、なんとなく体がだるい」「夜中に何度もトイレに起きてしまう……」

そんな体調の変化を感じつつも、「仕事が忙しいから」「年齢のせいかな」と、つい後回しにしていませんか?

糖尿病は、初期の段階では痛みなどの強い自覚症状がほとんど現れないため、「沈黙の病気(サイレントディジーズ)」と呼ばれています。しかし、何気ない日常の中に、体は確かなサインを発しています。そのサインにいち早く気づき、適切に対処できるかどうかが、5年後、10年後のあなたの健康を大きく左右します。

「もし糖尿病だったらどうしよう」と不安に思う必要はありません。糖尿病は、早期に発見して正しくコントロールすれば、これまで通りの生活を楽しみながら長く付き合っていける病気だからです。

この記事では、見逃してはいけない「8つの初期症状」から、具体的な検査方法、今日から自分でできる予防・改善法までを解説します。

【即チェック】糖尿病の初期症状8選とセルフチェック

「もしかして糖尿病?」と不安を感じたとき、まず確認すべきなのは体から出ているサイン(自覚症状)です。糖尿病の初期症状は、一つひとつは「よくある不調」に見えますが、複数が重なっている場合は注意が必要です。

以下の8つの項目を確認し、ご自身の状態をチェックしてみましょう。

1.異常な喉の渇き(口渇)と水分の過剰摂取

血糖値が高くなると、血液の濃度を下げるために脳が「水分を摂れ」という指令を出します。

  • 具体的なサイン:お茶や水が手放せなくなり、1日に2リットル以上の水分を飲み干してしまう。
  • 特徴:飲んでも飲んでも喉がカラカラに乾く感覚(口渇感)が続きます。

2.尿の量・回数が増える(多尿・頻尿)

体内の余分な糖を排出しようとして、腎臓が水分と一緒に糖を外に出そうとするためです。

  • 具体的なサイン:トイレの回数が急に増えた。特に夜中に2回以上、トイレのために目が覚める。
  • 特徴:尿の量自体も増えるため、脱水症状を招き、さらなる喉の渇きに繋がります。

3.食べているのに体重が減る(意図しない体重減少)

インスリンがうまく働かないと、糖をエネルギーとして利用できなくなります。代わりに体内の脂肪や筋肉を分解してエネルギーを補うため、体重が落ちていきます。

  • 具体的なサイン:食事量は変わらない(むしろ増えた)のに、短期間で2〜3kg以上体重が減った。
  • 特徴:ダイエットをしていないのに「痩せた」と言われる場合は要注意です。

4.全身の強い倦怠感・疲れやすさ

細胞にエネルギー(糖)が届かないため、常に「ガス欠」の状態になります。

  • 具体的なサイン:十分に寝ているはずなのに、午前中から体が鉛のように重い。
  • 特徴:以前ならこなせていた日常の家事や仕事が、異常に辛く感じられるようになります。

5.食後の猛烈な眠気(血糖値スパイクの可能性)

食後に血糖値が急上昇・急降下する「血糖値スパイク」が起きているサインです。

  • 具体的なサイン:昼食の後、仕事や運転に支障が出るほどの抗えない眠気に襲われる。
  • 特徴:単なる「満腹感による眠気」を超えた、意識が遠のくような強い眠気が特徴です。

6.視界のかすみ・ピントが合いにくい

高血糖状態が続くと、目のレンズ(水晶体)の厚みが変化したり、網膜に影響が出たりします。

  • 具体的なサイン:急に視力が落ちた気がする、スマホの文字や遠くの景色がぼやけて見える。
  • 特徴:視力検査の数値だけでなく、「ピントが合うまでに時間がかかる」といった違和感も含まれます。

7.皮膚のかゆみ・感染症(水虫やカンジダ等)の繰り返し

高血糖状態は細菌やカビにとって繁殖しやすい環境であり、免疫力も低下します。

  • 具体的なサイン:全身がかゆい、湿疹が治りにくい、水虫やデリケートゾーンの感染症を繰り返す。
  • 特徴:皮膚科に通ってもなかなか完治しない場合、背景に糖尿病が隠れていることがあります。

8.手足のしびれ・怪我の治りにくさ

高血糖は末梢神経を傷つけ、血管の修復能力も低下させます。

  • 具体的なサイン:足の先がピリピリ・ジンジンする、靴擦れや小さな切り傷が2週間以上治らない。
  • 特徴:「足がつる(こむら返り)」ことが頻繁に起きるようになるのも、神経障害の初期サインの一つです。

注意!初期症状は「出たり消えたり」することがある

糖尿病の恐ろしい点は、初期症状が「ずっと続くわけではない」という点です。体調や食事内容によって症状が出たり消えたりするため、「昨日は喉が渇いたけれど、今日は大丈夫だから治った」と勘違いして放置してしまうケースが後を絶ちません。

症状が一時的に消えても「治った」わけではない理由

糖尿病、特にその前段階である「境界型(糖尿病予備群)」の時期は、血糖値が常に高いわけではなく、大きく波打っている状態です。

  • 血糖値の変動:糖質の多い食事をした後は症状が強く出ますが、数日摂生したり、体を動かしたりすると血糖値が下がり、一時的に自覚症状が消えることがあります。
  • 「無症状」でも進むダメージ:症状が消えていても、血管への負担がゼロになったわけではありません。高血糖状態が繰り返されることで、目や腎臓、神経の細い血管は着実にダメージを受け続けています。
  • 身体の慣れ:軽い喉の渇きやだるさに体が慣れてしまい、異常を異常と感じなくなる「感覚の麻痺」も放置を招く原因の一つです。

「以前よりはマシになったから」と自己判断せず、一度でも強い違和感を覚えたのであれば、それは体が発した貴重な警告として捉えるべきです。

家族が気づく「甘酸っぱい体臭・尿臭」の変化

自分ではなかなか気づけないサインとして、「臭い」の変化があります。糖尿病が進行したり、急激に血糖値が上がったりすると、体内で「ケトン体」という物質が作られ、独特の臭いを発するようになります。

  • アセトン臭:リンゴが腐ったような甘酸っぱい臭い、あるいは除光液のようなツンとした臭いが、吐息や汗に混じることがあります。
  • 尿の臭いの変化:尿に糖が漏れ出すことで、トイレの後に甘いような、あるいはこれまでとは違う独特の強い臭いを感じるようになります。

「最近、部屋の臭いが変わった?」「甘いものを食べていないのに甘い臭いがする」と家族から指摘された場合は、糖尿病のサインである可能性が高いと考えられます。自分だけの感覚に頼らず、身近な人の言葉にも耳を傾けてみましょう。

糖尿病の検査方法と診断基準

糖尿病の診断には、血液検査で「現在の血糖値」と「過去の平均的な血糖状態」の両方を確認することが不可欠です。病院で行われる主な検査項目と、その診断基準となる数値を知っておきましょう。

空腹時血糖値

10時間以上の絶食後(主に朝食前)に採血して測定する血糖値です。

  • 糖尿病型とされる基準:126mg/dL以上
  • 正常値:110mg/dL未満
  • ポイント:前日の食事の影響を受けやすいため、最も基本的な指標として用いられます。

HbA1c(ヘモグロビンA1c)

赤血球中のヘモグロビンがどれくらい糖と結びついているかを割合で示したものです。

  • 糖尿病型とされる基準:6.5%以上
  • ポイント:検査直前の食事の影響を受けず、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖状態を反映します。糖尿病診断において、血糖値と並んで非常に重要な指標です。

75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)

空腹時の状態で75gのブドウ糖が入ったサイダーのような検査飲料を飲み、その30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定します。

  • 糖尿病型とされる基準:2時間後の値が200mg/dL以上
  • ポイント:空腹時の数値が正常でも、食後にだけ血糖値が跳ね上がる「食後高血糖(隠れ糖尿病)」を見つけるための最も確実な検査です。

尿検査

尿の中に糖が漏れ出していないか(尿糖)、また腎臓に負担がかかっていないか(尿タンパク)を調べます。

  • 特徴:血糖値が一定以上(一般的に160〜180mg/dL以上)になると尿に糖が混じります。
  • 注意点:尿糖がマイナスだからといって糖尿病ではないとは言い切れません。あくまで血液検査を補完する補助的な検査として位置づけられています。

糖尿病を放置した場合のリスクと合併症

糖尿病を放置し、高血糖状態が長く続くと、全身の血管がダメージを受け続けます。合併症は大きく分けて、細い血管が傷つく「細小血管障害」と、太い血管が傷つく「大血管障害」の2つのパターンがあります。

三大合併症(しめじ):細い血管へのダメージ

糖尿病の「三大合併症」は、それぞれの頭文字をとって「しめじ」と呼ばれ、症状が出やすい順番としても知られています。

し:神経障害(しびれ、麻痺)

最も早期に現れやすい合併症です。手足の末梢神経が侵され、ジンジン・ピリピリとしたしびれや、痛み、感覚の麻痺が起こります。怪我の痛みに気づかず、後述する壊疽(えそ)に繋がるリスクがあります。

め:網膜症(視力低下、失明のリスク)

目の奥にある網膜の細い血管が詰まったり破れたりします。初期は自覚症状がありませんが、進行すると視力が低下し、最悪の場合は「中途失明」の原因となります。

じ:腎症(人工透析のリスク)

血液をろ過する腎臓のフィルターが壊れ、老廃物を排出できなくなります。進行すると、機械で血液を浄化する「人工透析」が必要になり、週3回・1日4〜5時間の通院が必要になるなど、生活の質が大きく変わります。

大血管障害:命に関わる動脈硬化のリスク

太い血管がダメージを受け、動脈硬化が進むことで起こります。こちらは命に直結する重篤な事態を招きます。

心筋梗塞・脳梗塞

心臓や脳の血管が詰まることで発症します。糖尿病の人は、そうでない人に比べてこれらの発症リスクが2〜3倍高まると言われています。

閉塞性動脈硬化症(足の壊疽)

足の血管が詰まり、血流が悪くなります。神経障害で傷に気づかないことと重なり、傷口から細菌が入って組織が腐ってしまう(壊疽)と、足の切断を余儀なくされる場合もあります。

急性合併症:意識障害(昏睡)を招く緊急事態

これらは長い年月を経て起こるものではなく、極端な高血糖によって数日〜数週間のうちに起こる緊急事態です。

  • 糖尿病性ケトアシドーシス:インスリンが極端に不足し、体が酸性に傾く状態。
  • 高浸透圧高血糖状態:高齢者に多く、極度の脱水から意識を失う状態。

どちらも命に関わるため、激しい喉の渇きや吐き気、意識がもうろうとするなどの症状が出た場合は、直ちに救急搬送を含む医療対応が必要です。

自分でできる糖尿病の予防・改善法

糖尿病の治療や予防の基本は、薬に頼る前にまず「食事」と「運動」、そして「生活習慣」を整えることです。これらは今日から、自分の意思で始められる強力な「治療」になります。

食事療法の基本:血糖値を急上昇させない工夫

食事で最も大切なのは、血糖値を「急激に上げない」ことです。

ベジファースト(食べる順番)の徹底

食事の際、まずは野菜(サラダ、お浸しなど)や海藻、きのこ類から食べ始めましょう。

食物繊維を先に胃に入れることで、その後に摂る糖質の吸収が緩やかになり、食後の血糖値スパイクを抑えることができます。

低GI食品(玄米、全粒粉など)の活用

「GI値」とは、食品が血糖値を上げるスピードを数値化したものです。

白米を「玄米」や「雑穀米」に、白いパンを「全粒粉パン」や「ライ麦パン」に変えるだけで、満足感はそのままに血糖値の上昇を抑えられます。

清涼飲料水・アルコールの適切なコントロール

「飲み物」に含まれる糖分は、固体よりも速やかに吸収され、血糖値を急上昇させます。

清涼飲料水や甘い缶コーヒーは控え、水やお茶を選びましょう。アルコールは適量を守り、糖質の少ない「蒸留酒(ハイボールや焼酎)」を選ぶのが賢明です。

運動療法の基本:インスリンの効果を高める

運動は、血液中の糖を筋肉に効率よく取り込み、インスリンの効き(感受性)を高めてくれます。

食後30分〜60分後の有酸素運動

血糖値が最も上がりやすいタイミングで体を動かすのが最も効果的です。

食後30分ほど経ってから、15〜20分程度の「ウォーキング」を行いましょう。激しい運動でなくても、駅まで少し早歩きをする、階段を使うといった工夫で十分効果があります。

筋肉量を維持するレジスタンス運動(スクワット等)

筋肉は、体内にあるブドウ糖の最大の「消費場所」です。

週に2〜3回、自宅でできるスクワットや軽い筋トレを取り入れましょう。下半身の大きな筋肉を鍛えることで、寝ている間も糖を燃やしやすい「痩せやすい体」になります。

日常生活の見直し:ストレス・睡眠・禁煙

食事や運動の効果を最大限に高めるために、土台となる生活環境を整えます。

質の良い睡眠と血糖値の密接な関係

睡眠不足が続くと、インスリンの働きを妨げるホルモンが分泌されやすくなります。毎日7時間前後の睡眠を確保し、自律神経を整えることで、血糖値の安定に繋がります。

ストレス管理がホルモンバランスに与える影響

過度なストレスを感じると、体は血糖値を上げるホルモン(アドレナリンやコルチゾール)を分泌します。自分なりのリラックス方法(趣味や入浴など)を見つけ、ストレスを溜め込まないことが、間接的に糖尿病の改善に繋がります。

まとめ:早期発見は健康を守るための「投資」

ここまで、糖尿病の初期症状から検査、予防法までを詳しく見てきました。糖尿病という言葉を聞くと「一生治らない」「好きなものが食べられなくなる」といったネガティブなイメージを抱くかもしれません。しかし、現在の医療において糖尿病は、正しく向き合えば決して恐ろしい病気ではありません。

糖尿病は、風邪のように「薬を飲んで完治する」という種類のものではありません。しかし、食事や運動、必要に応じた適切な治療によって、血糖値を正常に近い状態に保ち続ける(コントロールする)ことは十分に可能です。

初期段階で発見し、適切なケアを始めることができれば、合併症を未然に防ぎ、これまで通りの豊かな生活や仕事を長く続けることができます。健康管理を「我慢」と捉えるのではなく、将来の自分と家族への「最高の投資」だと考えてみてください。

もし、「自分に当てはまるかも」と少しでも不安を感じたなら、今日という日が受診のベストタイミングです。

糖尿病の初期症状は、体が出してくれた貴重なサインです。病院での検査は、今では非常にスムーズに行えます。

「何事もなければ、それで安心できる」「もし異常が見つかっても、早く分かれば楽に治せる」

そんな軽い気持ちで、まずは一度、専門医の門を叩いてみてください。千葉県白井市にお住みの方は伊藤診療所に受診ください。