

小型吸引器は、電動のポンプで圧力をかけ、鼻の奥や喉に溜まった分泌物(鼻水や痰など)を吸い出すための装置です。呼吸を妨げる原因となる物質を物理的に除去し、呼吸の不快感を和らげるために使用します。
このような診断・症状の際に使用が検討されます
診察や検査の結果、自力で分泌物を排出することが難しく、呼吸に支障が出ていると判断された場合に検討されます。
主な症状・状態
- 痰の詰まり:咳をする力が弱く、喉に痰が絡まって苦しそうな場合。
- 鼻汁うっ滞:強い鼻詰まりにより、呼吸がしにくい、または食事が摂りにくい場合。
- 誤嚥(ごえん)のリスク:唾液や食べ物が誤って気管に入りやすく、自力で出せない場合。
関連する病名・診断
- 気管支炎・肺炎:炎症により分泌物が増加している状態。
- COPD(慢性閉塞性肺疾患):慢性的、あるいは急性増悪により痰の排出が必要な状態。
- 神経疾患・加齢:飲み込む力(嚥下機能)や吐き出す力が低下している場合。
装置の仕組みと使用の目的
- 陰圧による吸い出し:装置内部で真空に近い状態(陰圧)を作り出し、細いチューブ(カテーテル)を通して分泌物を吸い上げ、ボトルに回収します。
- 気道の確保:鼻から喉、あるいは口から喉にかけての通り道を塞いでいる物質を取り除き、空気の通り道を確保することを目的としています。
- 衛生的な管理:持ち運びが可能なサイズでありながら、吸引したものを密閉されたボトルに溜めることで、周囲への飛散を防ぎつつ処置を行うことができます。
処置の具体的な進め方
- 準備:吸引用の細いチューブを装置に接続し、適切な吸引圧に設定します。
- 挿入:鼻または口から、喉の奥にある分泌物が溜まっている場所まで慎重にチューブを挿入します。
- 吸引:数秒から十数秒程度、チューブをゆっくり動かしながら分泌物を吸い上げます。
- 確認:呼吸の音が静かになったか、苦しさが軽減されたかを確認します。一度で取り切れない場合は、少し時間を置いてから再度行います。
安全上の確認事項
- 粘膜への配慮:吸引圧が強すぎたり、長時間こすれたりすると、鼻や喉の粘膜を傷つけ、出血(鼻血など)の原因となることがあります。状態を見ながら慎重に圧力を調整します。
- 衛生管理:吸引チューブは原則として使い捨て、または使用のたびに適切な洗浄・消毒が必要です。ボトル内の廃液も放置せず、こまめに破棄して清潔を保ちます。
- 酸素状態の確認:吸引中は一時的に息を止めるような状態になるため、体調の変化に注意しながら短時間で手際よく行います。



